~Special Short Story~



「可愛い花柄の絆創膏をしてる人に、バカにされても笑っちゃうよ」


そう、実は星村くんは、昨日私があげた絆創膏を1ヶ所の傷口に貼っていた。星村くんは私から目を泳がせて頭を掻く。


「これは、その」


「へへっ、似合ってるよ」


「いや、嬉しくないっす。でも」


そう言って、星村くんから手渡された封筒。


「これは渡します」


いつの間にか、この手紙を楽しみにしている私がいる。


「寝顔、まだ見せてくださいね」


そして、いつものように駆けて行く彼。その方向は、西津高校。って、やっぱり寝顔見られたんだ!?もう見せるもんか!


「……でも、どういうつもりでこの手紙を渡してるのかな」


真っ白な封筒。


この中身はきっと今日も、一文の言葉達。


何気ない日常の言葉でも、期待してしまう私がいる。


ゆっくりと封筒を開けて1枚の紙を開いた。



─────使うのがもったいなかったですが、可愛らしい絆創膏ありがとうございました。



何気ない一文が、私にときめきを与えていくんだ。



< 111 / 152 >

この作品をシェア

pagetop