~Special Short Story~
「可愛い花柄の絆創膏をしてる人に、バカにされても笑っちゃうよ」
そう、実は星村くんは、昨日私があげた絆創膏を1ヶ所の傷口に貼っていた。星村くんは私から目を泳がせて頭を掻く。
「これは、その」
「へへっ、似合ってるよ」
「いや、嬉しくないっす。でも」
そう言って、星村くんから手渡された封筒。
「これは渡します」
いつの間にか、この手紙を楽しみにしている私がいる。
「寝顔、まだ見せてくださいね」
そして、いつものように駆けて行く彼。その方向は、西津高校。って、やっぱり寝顔見られたんだ!?もう見せるもんか!
「……でも、どういうつもりでこの手紙を渡してるのかな」
真っ白な封筒。
この中身はきっと今日も、一文の言葉達。
何気ない日常の言葉でも、期待してしまう私がいる。
ゆっくりと封筒を開けて1枚の紙を開いた。
─────使うのがもったいなかったですが、可愛らしい絆創膏ありがとうございました。
何気ない一文が、私にときめきを与えていくんだ。