~Special Short Story~
そして翌日。
私は1人、胸を高鳴らせながらバスに乗り込んだ。乗る際にチラッとだけ高校生の集団を見ると、星村くんと目が合った。ぎこちなく笑うと、星村くんは小さく頭を下げてくれた。
やばい、嬉しいかも。
ニヤける顔を隠せないまま、前方の座席に腰を下ろした。
今日は金曜日。学生にとって今日は今週最後の学校。ということは、週末が明けないと星村くんには会えないってわけだ。
うん、ちょっと寂しいや。
「星村ー、お前今日も?」
「おう」
「準備あんだし、ダッシュで来いよ」
「あいよー」
それからしばらくバスに揺られていると、ちょっとだけ聞こえた星村くんと男の子の会話。ちょうどその時、バスが停車した。着いたのは高校前だ。
いつものようにゾロゾロと高校生が降りる。反射的にチラッと高校生を見てしまう私。すると、右耳の軟骨にシルバーのピアスをつけた1人の男の子と目が合った。
「ども」
すると、軽く挨拶をされてしまった。え、誰?あんな人知り合いじゃないっての!