~Special Short Story~
『No.7、小関明莉さん!』
私の名前が呼ばれた。え!7番!?慌ててスタッフに付けられたナンバーを見て、7番ということを確認し、すぐさま立ち上がった。
「星村くんのところまで行ってください」
コソっとポニーテールの女の子から言われ、そそくさと星村くんの前に立つ。
『まず、すみません。名前を知らなかったので、ちょっと協力を得て知りました』
協力?あ!さっき名前を書いたことかな?そうだよね、普通に考えたら不自然だし。そう思うと少し笑ってしまった。
「ちょ、笑わないでくださいよ」
マイクを外し、ボソッと呟いた星村くん。その顔は……ほんのり赤い。
『えー、謝罪はこれで終わりです。本題に移ります』
左の頬に小さな花柄の絆創膏、奥二重の瞳が私を捉える。
その瞳に胸高鳴ったのは、言うまでもない。
『明莉さん。俺、いつもバスで明莉さんのことを見かけていました。その、たまに見れる寝顔とか急いでバスに乗り込んでくる姿とか、気がついたら目で追ってて……』
少しだけ私から目を離した星村くん。