~Special Short Story~
それから一呼吸おいて再び口を開いた、彼。
『あー、もう。伝えたいことっていうのは、その……あの……』
次に出てる言葉が何か、何を言われるのか……口から心臓が出てきそうなほどドキドキする。
『明莉さんが好きです。俺を彼氏候補の1人として見てほしいです。いや、まずは友達からでもお願いします』
そう言って頭を下げた星村くん。
告白をされてしまった。でも、彼氏候補の1人?友達から?
「星村くん、マイク貸して」
星村くんの手からマイクを取る私。そして星村くんに向き直り、言葉を発した。
『私、正直言って星村くんのこと眼中になかった。でもね、星村くんから手紙をもらってから、毎日星村くんの事ばっかり考えてるの。それなのに、友達からってのは無理がある』
この1週間、毎日ドキドキして……むしろドキドキが大きくなっていた。
家や大学の講義中に頭で考えるのも、バスで気になるのも、全部星村くんの事。
これってつまり、私こそ星村くんに……恋しちゃったってこと。