~Special Short Story~
☆。.:*・゜出席番号6番の恋
ある日、教室に来たのは1つ上の先輩だった。
「おい、出席番号6番」
最初は気にもとめていなかった。
「2年5組、出席番号6番の加治木……」
だけど、それが自分のことだとわかり、すぐに席を立ち上がった。
「あたしですが?」
その先輩へ問うと、黒髪の先輩は手に持っている何かをチラつかせながらあたしへこう言った。
「この生徒手帳お前のだろ」
その言葉を聞いた途端、あたしはすぐさま先輩のもとへ駆け寄った。
「わっ、わざわざありがとーございましたっ」
いえいえ、とにんまりと笑う先輩。
「確認ですけど……中見てませんよね?」
「《アイツと話すの緊張したよ~(>_<)》」
「!?」
「他にはーっと……」
「わー!ちょっと待ってくださいッ!」
あたしはその先輩の腕を引いて、教室から離れた階段の踊り場へ場所移動した。
「ちょっと!みんながいる前で何言ってんですか!?」
「え?事実だろ?」
「事実も何も……中身見たんですね!?」
「廊下に落ちてたんだっての。見なきゃ誰のもんかわかんねぇだろ」
う、それはそうだけど。