~Special Short Story~
「これ好きな奴とのこと?」
「か、カンケーないです!」
そう言って、先輩から生徒手帳を取る。
「失礼します!」
先輩へ向けてそう言い、ふんっとあたしは背を向けて歩き出した。
「《明日はもっと話ができますように》」
「!?」
生徒手帳に書いていたあたしの恋心が背後から聞こえ、慌てて振り向いた。
「またな、6番」
ヒラヒラと手を振りながら歩いていった先輩。
「あんのやろ~!」
あたしは小さくなった先輩の背中に向かって叫んだのだった。
「ねぇ!どう思う!?マジあり得ないよね!?」
昼休み。机を並べて2人の友達とご飯を食べ始めた途端、先程自分の身に起こったことを話した。
「えーそう?なんかカッコイイ人だったよね」
「それ思った!先輩だよね~」
ルックスは良かったらしいけど全然覚えてない。
「未紀の恋心もバレちゃったみたいだけど、今後関わることないし大丈夫でしょ?」
姉御系のシズが平然と言う。