~Special Short Story~
☆。.:*・゜1度だけのキザなこと
『16:55』
あと5分。デスクに広げる書類と時計へ、交互に目を向ける。
あと2分……あと1分……早く、早く!心の声が口に出てしまいそうなくらい、落ち着きがない俺。
『17:00』
カチッ
「お疲れ様でした!今日の分の入力は終わりましたので、定時で帰らせていただきます!」
大きな声で報告をした後、まとめていた荷物を鞄に詰め、更衣室へと早足で向かう。
ロッカーの鍵を開け、着ていた白衣を脱ぎ普段着へとチェンジ。最後にロッカー内の鏡を見て、ヘアセットを手短に行って準備完了。
パンパンになった鞄を持って更衣室を後にし、俺の愛車が待っている駐車場に早足で向かった。
鍵を開けて車に乗り込む。助手席に鞄を置いてシートベルト装着。一息ついて、エンジンをかけて車を発進させた。
あっ、自己紹介が遅れましたが、俺は尚也(なおや)。22歳の社会人で医療従事者。医者ではなく理学療法士をしています。