~Special Short Story~
「君は彼女の事を追いかけているのか?」
すると麻央へ思いを伝えた後、麻央の声ではない低い声が背後から聞こえた。
「ストーカーだな?」
チャリを押した警察官がいた。って、ストーカー!?
「ちっ、違いますよ!」
「何を言うか。普通こんな格好をしてうろつくか?どう見ても不審者だぞ」
俺のタキシード姿を見て苦い表情をしながら、警察官が言う。そうだ、俺タキシード姿だった!
「だっ、だから、これはその違くて!俺は彼女の……」
「言い訳は止しなさい。最近不審者が出ていると言っていたが、君のことかもしれないな。ちょっと交番まで来てもらおうか」
ふ、ふざけんなーーー!
俺は今、大切な告白を麻央にしたところだっての!ストーカーとか不審者とか勘弁しろっての!
「まっ、麻央っ」
警察官に連れていかれそうになり、麻央のことを呼ぶ。でも、麻央は口元にてを当てて笑っていた。助けろよ!と訴えるような目で麻央を見ると、麻央が2度頷いて警察官に歩み寄った。
「すみません、お巡りさん。この人あたしの彼氏です」