~Special Short Story~
言い方を変えると、俺の好きな奴。
花音は俺のこと、何でも気さくに話せる幼なじみとしか思ってないだろうけど、俺は違う。
すれ違った男がカッコ良かったって話とか、男関連の話を聞かされる度に、モヤモヤした感情が胸に広がっていた。
気づいたら、花音のことが幼なじみとして見れなくなっていた。
何かあった時は当たり前のように、俺の部屋に来るアイツのことを待っている俺がいた。
どんな理由でもいい。アイツが俺を頼ってくれんのが嬉しかった。
いつ好きって感情に気づいたのか分からない。気がついたら、アイツのことしか考えていなかった。
でも、横田のこと結構まんざらでもない様子の花音。もしかしたら横田と……?
「…………あー、クソ」
この伝えることが出来ない気持ちを抱えて、どれだけの月日を経てきたんだろう。
伝えてしまうのは簡単なこと。
でも、それが原因で今のこの関係が崩れてしまうことを恐れて、一歩踏み出せない自分がいる。