~Special Short Story~
「だから……」
「俺たちみんな18だよ~」
断ろうとしたであろう内田さんの言葉を遮り、金髪の男の人が教えてくれた。
「先輩ですね。内田先輩って呼びます!」
「やめろ」
そんなあからさまに嫌な顔しなくても。
「そうだ。君、名前何ていうのー?」
今度は、緑のキャップを被る男の人が尋ねる。内田さんが眉間にシワを寄せる。また話切られたら私のこと知ってもらえないよね?これは自己アピールをせねば!
「私、さやかです!高1なので、みなさんよりは年下です」
「高1か。わっけーな!」
うふふ、ちょっとだけ私のこと紹介できた。
「それでは、少々お待ちください」
それから浮き足でその場を後にして、厨房へ向かい、注文を受けたメニューを伝えた。
「さやか?何、そのニヤケ顔」
「おばさーん!あたし恋しちゃった。あの黒縁メガネの人にっ」
「誰や、そんな奴」
厨房の窓から首を伸ばして、内田先輩を見るおばさん。