~Special Short Story~
こんな金髪の人でも、ちゃんと塾行ってるんだ。おっと、こんなこと思っちゃいけない。一応、内田先輩のお友達なんだもんっ。
「塾でお疲れですよね?内田先輩、ぜひあたし特製のトロピカルジュースを……」
「いらね。銀、早く海行こうぜ」
あ、あたしよりも金髪を選ぶのですか!?
「さやかちゃん、またお店来るからねっ」
スタスタと海へ向かう内田先輩を置いて、金髪の男の人である銀さんがあたしに言う。
「もちろん内田先輩もですよね!?」
「おう。俺、応援してっから!」
「銀さん!ありがとうございます~」
「いーってことよ!アイツ振り向かすの大変だけど、その前向きさ……」
「ぎーん、早く来い」
銀さんが他の友達に呼ばれて、会話はココで中断。でも、銀さんが応援してくれるとはありがたい。
「さやか、今手元にあるものは何かな?」
すると、背後からおばさんの声。
私の両手の中には、他テーブルのお客さんの焼きそばが冷めた状態になっていた。