~Special Short Story~
「なに、例の先輩からでも頼まれた?」
「えへへ。バレた?」
「ビーチで遊ぶ側には捨てやすいように紙コップって言ってんのに、このコップ出して、返却してもらう時にも話したいっていうさやかの心が丸見えなだけ」
やはりおばさんは鋭いな。あたしの心がバッチリ読めていらっしゃる。
「じゃ、持って行ってきま~す」
「休憩時間は延ばさんけんね」
「分かってる~」
延ばしなくても平気。
だって、内田先輩との愛の時間が増えるんだもの、うふふっ。
「先輩!お待たせしましたっ」
「おー」
内田先輩に4つのドリンクを渡す。
「あの、このオレンジって誰が飲むんですか?」
「あ?誰でもいいだろ」
コーラの中に、1つだけオレンジって気になるし。
「もしかして、内田先輩、炭酸苦手なんですか?」
あたしの記憶が間違っていなければ、前来た時にもこの注文で、飲んでいたのは内田先輩だった気がする。
「……苦手」
1つ、内田先輩のことを知れた。