~Special Short Story~
「ほら、出番や」
無理矢理、裏方から出されたあたしは、渋々内田先輩達のテーブルへ向かう。
いつもならスキップしていけるのに、今日は足取りが重たいや。
「あっ、さやかちゃん、ヤッホー」
「こんにちは」
銀さんの言葉に挨拶を返す。女の人達はキョトンとした目であたしを見る。
「ほら、この子が今言ってたさやかちゃん!うっちーのこと大好きなんだって」
「おい、やめろって」
銀さんの紹介に口を挟む内田先輩。
普通の、いつもの会話だけど、今日だけは違うように聞こえてしまう。もしかして、この中に彼女がいる……とか。だから冷やかせはよせよ……とか?
「へー、さやかちゃん可愛いねっ。あたし達より若いでしょ?」
「おうよ。俺達の2コ下だぜ?」
「やーん。可愛い!羨ましいっ」
顔を見合わせてそう言う女の人達。でいうことは、内田先輩とタメで18歳。
あたしはそっちの方が羨ましいよ。