~Special Short Story~
「ご、ご注文の方は……」
「あっ、ごめんな!えーっと」
それからいつものように注文を受けた。なんでかな、なんとなく内田先輩の顔が見れなくて、そのまま先輩達のテーブルを後にした。
「はぁっ……」
ため息をつきながら、頼まれたドリンクを作る。注文の中に含まれていたオレンジに、胸がキュンとなる。
どの人が彼女かな?
今日はデートにカウントされてるのかな?
モヤモヤした考えがあたしの頭を過ぎる。
「お待たせしました」
再び先輩達のテーブルへ。8人分だから、頼まれたドリンクを2回に分けて運んだ。その間も内田先輩のことが見れなくて、そそくさとその場を後にした。
「さやかちゃん、今日元気ないなー?」
常連のお客さんのところへドリンクのおかわりを持っていくと、言われた言葉。
「内田先輩が女連れてるからか?」
「ありゃ美人さん揃いだもんな」
うーやっぱり、常連さんから見ても美人ばっかりだよな。