~Special Short Story~
美術の時間は、こういう自由な時間があるから、美術を選択した理由の1つでもある。
「くっそー、これから受験シーズンだってのにイチャつきやがってー」
「羨ましいなー!」
ベラベラ話す中園の隣に座る俺は、話を聞きつつも、鉛筆を動かしてスケッチブックに絵を描く。
「おーい、雅紀もそう思うだろー?」
「あーうん」
「いや、お前は敵だ!お前には白石がいるもんな!」
中園が両手で大きくバツを作る。
「あれ?白石達ってどこ行ったんだ?」
「西館じゃね?」
「おいー、雅紀一緒に行動しなくていいのかよー」
中園の絡みは、ウザイが8割。いい奴なんだけどな。
「うっせーぞ。そのうち来るだろ」
「白石はお前にベタ惚れだもんなー!」
ポキッ
つい力が入って、鉛筆の芯が折れた。
「……そんなんじゃねぇし」
「あー!雅紀が照れてっぞ!こりゃ白石に知らせたらぶっ飛んでくるなっ」
「やっ、やめろ、中園」