~Special Short Story~
シャツとズボンを着た後、鏡の前でワックスで髪を立たせ、ヘアセットを念入りに行う。
それから上着を羽織り、全身チェック。ネクタイのねじれなし!髪型よし!あとはプレゼントを忘れないようにっと。
麻央へのプレゼントを手に持ち、受け取ってもらえるように少しだけ念じる。
部屋の戸締りをした後、財布とスマホにキーケース、そして麻央へのプレゼントを持ってアパートを出た。
「こんばんは」
「あら……こ、こんばんは」
駐車場に向う際に、近くの花屋に寄って、花屋のおばあさんに挨拶をするが、おばあさんは目を丸くして挨拶もぎこちない。
あぁ、この格好のせいだろうか。
「あの、この格好見て驚いてます?」
「驚くも何も、今から結婚式かい?私呼ばれてないよ~?」
け、結婚式!?やべ、ちょっとニヤけた。
「違うんですよ。今日は彼女の誕生日なんです。だからちょっと驚かそうと思って」
「へぇ~そうかい。カノジョ喜ぶといいね~」
おばあさんの言葉に頷いて、俺はある花を選んだ。