~Special Short Story~
「って、お前もう書き終わってんじゃん!」
中園が俺のスケッチブックを見る。
「今の時間じゃこれくらい描けっだろーが」
「俺真っ白だしー」
「俺もー」
おめーら、佐々木なくぞ。見回り来るって一応言ってただろ?
「あっ、やべ!佐々木来たぞ!」
「俺あっちの方行ってくる!」
そして、中園と俺以外の奴等は校舎へ向かった。
「中園も描いてねーんだろ?ココに居ていいのかよ」
「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれたな、少年!俺には秘策がある!」
じゃじゃーん!と中園が見せてきたのは、スケッチブックに描かれた花瓶の花の絵。
「いつ描いたんだよ」
「んー4月?」
「……それ、前の授業で描いたやつ?」
「ピンポーン!これを佐々木に見せれば、誤魔化せ……」
「コラ、中園!」
うお。背後から佐々木の声。軽いゲンコツを喰らう中園の顔は渋い。
「お前、セコイ真似すんなよ」
「へーい」