恐怖日記
コン。
まるで、石がトラックの窓に投げて、当たったような音がしたそうだ。

「ん?」

父はその音に気づき。
窓の外を覗きみたそうだ。
だが、そこには誰もいない。
聞こえて来るのは、虫の音だけだったらしい。

父は、また資料に目をやる。

コン。

まるで、それを見計らうかのように、また窓に石を投げるような音をしたらしく。
さすがの父の手はハンドルを握り締めていたそうだ。

コン。

またその音が響く。

「こんちきしょうっ!」

父は意味もなく、叫び声をあげてそこから、トッラクを発進させて逃げたとか―――。
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