ほうき星
…和樹…お前…エスパーかよ…




「忠犬和樹…もぅお前に教えることはない…」

「誰が忠犬だ誰が!」

「ん」

「梓ーーー!」




うるさいなぁ和樹は…
私が和樹を指さした瞬間和樹は私に怒鳴りかかった
そんなんじゃモテないぞ!
私がつーんと和樹から顔を逸らしたら、和樹はムッと顔を変え本初の目的を言い出した




「お前に応援演説者の予約入れに来たんだよ…秋に生徒会の会長に候補するから」

「応援演説者…ねぇ…」

「おぅ、やってくれるか?」

「…勿論!」




和樹はサンキュ!と眩しい笑顔で言うと、剣道場の端っこに座った
どうやら、見学するらしい…弓道部のクセに…
自分は練習しなくていいのか練習!
私はとりあえず、集中するために膝まである長い髪を高く結い上げた
そして、精神統一をして素振りを始める




ぶんぶんと竹刀の振るう空気が切れる音がする
今までなかった透明な液体が、額から頬へ、頬から顎へと落ちる
足と腕の筋肉が熱くなってくる
それでも私は続けた
好きな人の前では一番になっていたいから…
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