愛でした


『ねーねー、美里亜?』

『ん?なあに?』


紗矢香が小声で話しかけてくる。
自然とあたしも小声で問い返す。



『今の人イケメンだね!彼氏?』

『違うよ!!彼氏なんかじゃ!!』

あたしはムキになってしまう。
そして声の音量も大きくなってしまう。



クラスの皆も騒いでいたから、特別あたしの声は目立たなかったけど、アイツの視線は伝わってきた。


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