放課後は図書室で甘い時間を


「学校がある日は毎日、放課後にここへ来てよ。」

「…何でですか…。」

「だって一人は寂しいもん。ねぇ、知ってる?兎は寂しいと死んじゃうんだよ?」

「…先生は人間です。」



そう言った瞬間、先生が落ち込むのが分かった。

分かりやすく言えば、飼い主に怒られた子犬が、振ってた尻尾をたらして、うつ向く見たいな…。



榎元先生ってけっこう優しいかも…。
想像と違った。

まぁ、どのみち本を読む予定ではあったわけだし…。
別に…先生に会いたいとか…そういうのじゃないからね…。



「…分かりました。毎日、放課後来ますから。」

「ほんとっ?」



うわ、一気に目が輝いた。

本当に子犬みたいな反応するな…。
たれてた尻尾が今はパタパタと振られていて。

…上機嫌だな~…。

…何か可愛い…








「俺、桜ちゃん好きだよ?」

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