放課後は図書室で甘い時間を

「…へ?」

間抜けな声を出しつつも声の主を見る。

「えっ…ひゅっ……榎本先生?!」

やばい、やばい。
日向って言いそうになった…。



でも、日向を見て全てが繋がった。

彼のまわりは女子だらけだ。

つまり、彼見たさに女子が群がり混んでしまった。
そして、彼をすぐに見つけた江梨子は私をガン見していた。

クスクス笑っていたのは、彼が隣にいるってことを私が気づいていなかったから。



はぁ…。
江梨子ってすかさずいじるっていうか…。


「ねぇ、聞いてる舞姫さん。」


日向は私をのぞきこんだ。

その事にドキッとしつつも、舞姫さんと呼ばれたことに胸がチクンとした。



「え、いいです……」



言葉が出なくなったのは、まわりにいる女子たちのせい。

あり得ないくらい、憎しみのこもった目付きで私を皆睨む。

“おかずを食べさせるなんてあり得ない”

“やめて”

そんな感情が伝わってくる。



「すいません。私、食いしん坊なんで。あはは。」



変な返事だな…。
だって、さすがに、あげるわけないでしょ何て言えないし…。

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