放課後は図書室で甘い時間を
「そっか。…じゃぁ、また今度ね。」
まわりの女子とは違う明るい笑顔を日向は私に向けた。
会話が途切れると、すかさず女子たちが喋りだす。
「ねぇ、あんな人のお弁当より、私のお弁当の方が美味しいよぉ?」
「何いってんの?…私の方がねぇ、」
「ねぇ、せんせっ♪それよりっ♪
私と今日デートしてぇ?おねがぁい♪」
日向ってやっぱしモテるんだね…。
たくさんの女子に触れられてる日向。
その事に胸が痛んだ。
あんな人とか言われちゃったし…。
「んー、ごめんねぇ。……ちょっと喋る気失せちゃった~。もう職員室戻るわ。」
日向…何か不機嫌…。
どうしちゃったんだろ…。
立ち上がる日向を女子の皆は見上げる。
「意地悪する女の子は………俺嫌いだよ?」
初めて見る日向の冷たい表情。
日向の視線は、まぎれもなく、さっき私を“あんな人”と言った女子の方を向いていた。
…日向は、怒ってる。
それは、皆でも感じるくらいの冷たいオーラ。