放課後は図書室で甘い時間を

「そっか。…じゃぁ、また今度ね。」

まわりの女子とは違う明るい笑顔を日向は私に向けた。

会話が途切れると、すかさず女子たちが喋りだす。


「ねぇ、あんな人のお弁当より、私のお弁当の方が美味しいよぉ?」

「何いってんの?…私の方がねぇ、」

「ねぇ、せんせっ♪それよりっ♪
私と今日デートしてぇ?おねがぁい♪」


日向ってやっぱしモテるんだね…。

たくさんの女子に触れられてる日向。
その事に胸が痛んだ。

あんな人とか言われちゃったし…。



「んー、ごめんねぇ。……ちょっと喋る気失せちゃった~。もう職員室戻るわ。」



日向…何か不機嫌…。
どうしちゃったんだろ…。

立ち上がる日向を女子の皆は見上げる。



「意地悪する女の子は………俺嫌いだよ?」



初めて見る日向の冷たい表情。

日向の視線は、まぎれもなく、さっき私を“あんな人”と言った女子の方を向いていた。



…日向は、怒ってる。

それは、皆でも感じるくらいの冷たいオーラ。



< 101 / 236 >

この作品をシェア

pagetop