放課後は図書室で甘い時間を
「こらっ。」
腕を掴まれてしまい。
挙げ句の果てには、
「…きゃっ!!」
先生は、私を引き寄せると、机に両手をついて、私を逃げられないようにした。
逃げられないようにしたかと思えば、先生の顔はどんどん近づいてきて。
「……俺ね…桜にしか興味ないよ…?…」
耳元でそう囁かれた。
さっきまで、“桜ちゃん”だったのに…。
急に桜何て言われたら…
多分、今の私リンゴみたいに真っ赤だ…。
「抵抗しないなら俺、キスしちゃうよ?」
「…?!」
「三秒数える前に嫌だったら逃げてね?」
何て言う先生は、もう数を数えてて。
えっ…。
ちょっと…。
数えるの早くない…?!
三秒何てもうすぐ…、
そして、伝わってくる柔らかい感触。
キス…されてるんだ…。
そう理解するのに数秒。
初めてのキスは、子犬系教師に奪われてしまいました。
軽めじゃなくて、けっこう長めのキス。
キスって…こんなに優しくて、温かくて、ドキドキするもんなんだ…。
「……どう?…溺れた?」
「……」
「溺れすぎて、言葉が出ないか~。」
意地悪のような子犬のような笑顔を見せる先生は、息一つ乱してなくて。
私なんて、走った後みたいに息切れが…。
「先生は好きって言って、興味あるって言ってますけど……わ、私は、先生に興味何てないです…。」
「…って言っておきながら、最終的には俺に溺れっぱなし…でしょ?」
「い、意味が分かりませんっ。」
今日、初めて出会った先生にこんなにも振り回される何て…。
……しかも…
キ、キキ、キス…されちゃったし…。
「ねぇ、聞いて桜ちゃん。
……俺、キスするのも、さっきの告白も、本当に好きだって、大切だと思う人にしかやらないよ?」
「……嘘…。先生は人気者だし、皆に平等で…それで…」
「平等だから、俺は女の子の皆にさっきみたいな事してるって?」
…それは…。
だって、初めて出会った人に好きって言うかなとかいろいろと考えちゃうから。
きっと、先生は優しい。
けど、今まで恋愛をしたことがない私にとって、こういうのは初めての事ばかりで、本当に信じて良いのか分からない。
「…俺ってそんな軽そうな男に見える?
誰にでも、キスするような男に見える?」
私は、黙ったままでいる。
この質問にはどう答えたらいいか分からない。
何もかも…分からない。
「ねぇ、桜ちゃん。一目惚れって信じる?」
そう言いながら、先生は私を抱き締める。