放課後は図書室で甘い時間を
「俺、正直、桜ちゃんの事一目惚れだった。教室で目があった時にね。
…悪いけど、俺は平等何てことする良い先生じゃないよ。
わがままだしね。…桜ちゃんが好きになってくれたら、俺もう何にもいらない。」
先生は、ぎゅっと抱き締める力を強めた。
恋愛なんて分からない…。
恋愛感情、何て…分からない…。
「桜ちゃん…。」
先生は私の頬に手を添えて、熱っぽい瞳でそう囁いた。
……先生は本当に私が好きなんだろうか?
もしかしたら、遊びかも知れない。
私は、遊ばれてるのかもしれない。
…そうやってマイナス方向に考えちゃうんだ…私の悪い癖…。
「先生、あの…私は…んん!!」
“好きになれるように頑張ります”って
言おうとした私の口を先生は塞いだ。
そこから伝わる、温かい感情。
……これは…何だろう…。
「俺、けっこう愛を込めてるんだけどな。…伝わらない?」
伝わってきたかもしれない。
さっき感じた温かい感情…。
あれは、先生の愛って感情だったのかも…。
「あと、好きになれるように頑張ります。何て言葉は俺は求めてないよ?」
「あ……。」
バレてたんだ…。先生に隠し事は出来ないかも…。
「…俺が求めてるのは“好き”っていう言葉だけ。好きになれるようじゃなくて、好きじゃなきゃダメ。分かった?」
…なぜか私は、知らない間に首を縦にふっていた。
「よし。良い子。」
先生は、そう言って私の頭をポムポム撫でた。
……ほてり出す顔。速くなる鼓動。
何なんだろう…このほわほわした気持ち。
……初めてだ…。
こんな気持ち…私は知らない。分からない。