放課後は図書室で甘い時間を
◆お家デート→お泊まりデート
[桜、ついた。]
日向からのLINEをスマホが音を鳴らして教えてくれる。
ふふっ。着いたって。
「わーい♪」と跳び跳ねるように立ち上がった私は、荷物を持って玄関へ向かった。
扉を開けてみれば、私服の日向が車に寄りかかって待っていた。
「ひゅーが。」
「あ、桜。俺持つから、かして?」
「あ、はい、どうぞ。」
私服の日向……。
そんな新鮮な日向にドキドキしつつも荷物を渡す。
…お洒落さんなんだな…。
「ほらっ、桜乗ってっ。」
今日は一段と寒い。
それを気遣ってか、私を車の中へ急がす。
乗り込むと、中はもうぽかぽかするくらい暖かかった。
「はーい、しゅっぱーつ!!!!」
日向の明るい声とともに車は動き出した。
私の家から日向の家はそう遠くないから、きっとすぐ着くんだろうな…。
そんな事をぼんやり考えながら走る車に揺られていた。
案の定、10分程度で着いてしまった。
「そこが俺ん家だから、先入ってて。」
「分かったー。」
返事をしながら、日向から渡された家の鍵でなかにはいる。
そっか、そっか。
日向って一軒家だもんね。
外見もそうだけど、中にはいると広さが目立つ。
一人では広々とし過ぎてるくらいだった。
「お邪魔します。」
「くすっ……ようこそ。」
日向の部屋は二階にあるみたい。
部屋に私の荷物を置いてくるから、そこのソファにでも座っといてと言われた私は、素直にソファに腰かけた。
……日向って…ちゃんとしてるんだな…。