放課後は図書室で甘い時間を
あ……いい匂い…。
甘い香りだ……。
「はい。どーぞっ。」
日向が私に何かを差し出した。
……タルト…?
「手作りのフルーツタルトっ。」
「わぁ…美味しそう……。タルト手作りだぁ…。」
「そだよ。何か、朝から元気ないみたいだったし。これ食べて元気になればなーってさ。」
元気ないの…分かってたんだ…。
ほんと…日向には敵わないよ。
「紅茶もブレンドして俺の手作り。おやつも兼ねてさ……食べてっ♪」
「ありがとう。」
自然と笑顔になった。
温かいなって…。
日向から受け取ったフルーツタルトを一口口に運ぶ。
甘酸っぱいベリーが口の中に広がって、最後にいろんなフルーツの味が広がっていく。
「おいしい……。」
「ほんとっ?それは良かった。」
日向は笑顔でそう言いながら、私をちゃっかり後ろから抱き締めた。