放課後は図書室で甘い時間を
◇めいちゃん
***
「それで、それでー?お家デートでは何したってー??」
「だっ…だからっ…そのっ…」
お家デートを終え、月曜日を迎えた午後。
お弁当を食べながら、私は江梨子に質問攻めされていた。
「あっ…!!そう言えばっ!!
楓君から勉強会誘われて……。江梨子勉強会した?」
「あー!!したした!!……って、話をそらすなー!!」
うっ……すみません…。
だって……江梨子声でかいから…。
……でも、勉強会したんだぁ~…。
「桜勉強会来なかったじゃん?
楓その事めっちゃ残念そうにしてたよ?」
「えっ……」
そんな残念だったのかな……。
勉強会なのに……。
今度誘われたら、約束通りちゃんと参加しよ。
「桜、お家デートって……まさか…」
後ろから、楓君の声が聞こえた。
「?!……かっ…楓君!!」
嘘ついた事バレちゃう……!!
どうしよう…!!
「榎本先生と……だよな…?」
「……ごめんなさい…。嘘ついて…。」
一瞬、楓君が悲しそうな顔をした。
……胸がズキズキする…。
嘘ついた事への罪悪感。
それだけだった。
「…ごめん…なさい…。」
「大丈夫だから…っ…また今度……
誘うな、勉強会っ……!」
「う……うん…。」
……楓君……無理して笑ってる……。
ごめんなさい…本当に……。
心のなかで、私は何度も何度も謝った。