放課後は図書室で甘い時間を


図書室へ行って自分の一番好きな本を読んでいた私。

だけど、本の内容は頭に入ってこない。

さっきのめいちゃんの言ってた事。
私たちの関係がバレてる……。


それがすごくビックリだった。


「その本、俺も好き。」

「…日向……。」


めいちゃんの言葉が鮮明によみがえる。

…ねぇ、日向…。
めいちゃんね、日向の事好きだって。
私がこれ以上近付いたら、校長先生に私たちの関係言うって。


そんな事を心のなかで言っても意味なんてない。



「それ、“大空”(そら)って本でしょ?」

「うんっ。いつ読んでも飽きないんだよねぇ。」

「感動出来るよね。」

「できるできるっ。……でもこれ恋愛ものだよ?」



日向でも恋愛ものの小説読むんだ…。
意外だな…。

でも、より親近感が湧いたっていうか。


この小説ね、最後に書いてある言葉がすごく感動出来るの。



「もう、俺の事は忘れてください。

貴女の幸せが俺の幸せだから
どうか、幸せになってください。

…大切な思い出をありがとう。」




いつもこの最後の言葉を読むと涙が止まらなくなる。








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