放課後は図書室で甘い時間を


「楓君がさ、桜ちゃんいじめてる女子たちにキツく言い聞かせたって噂だよ?

…何か“いじめる奴は好きじゃねぇ”って。

“榎本先生はそういう所まで見てんだぞ。いじめたら、お前らは嫌われる一方だぞ?”って。」

「え…?!うそ?!マジっ?!」

「本当だと思うよ。実際に言われた子いるみたいだし。」



え…?
楓君が…?

私、全然知らなかった…。

私の見てない所で、楓君は私を助けてくれてたんだ…。

楓君に…何て言えば良いの…?


私のために彼はいろいろな事をしてくれた。

だけど、私は彼が傷付くような事しかしてない…。


楓君に…どんな顔をしたら良いの…?


胸がズキズキと痛む。
楓君が味わった悲しみは、きっとこんなもんじゃないよ…。


私、バカだ…。
何で…気付かなかったんだろう。


気づけなかった悔しさ、悲しませてしまった罪悪感の涙が一筋頬を伝った時。






~♪♪♪~






…メール…?
江梨子からだ。









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