放課後は図書室で甘い時間を
◎桜side
「………俺を選べ、桜。」
「楓君……。」
「桜が好きなんだ。榎本先生と付き合うより、俺と付き合った方が悲しまないで済む。
……だから、俺を選べ。」
抱き締める腕を強める楓君。
彼の気持ちが、強く、強く伝わってくる。
だけど、私は楓君を抱き締め返せなかった。
だって、私は……、
「…日向が好き…。」
日向が好きだから。
どんな辛い事でも、乗り越えようって決意したから。
…だから、私は…
「楓君とは付き合えない…。」
禁断の恋でも。
皆に後ろ指さされても、私は日向とずっと一緒にいるよ。
約束したの…。
“俺たちはさ、ずっと一緒にいよーよ”
あの言葉…嬉しかった。
約束通り、私は日向とずっと一緒にいるよ。
…ずっと、ずっと。