放課後は図書室で甘い時間を
◇止まった時間
「これでよしっと!!
てか、坂咲まで榎本先生好きだったなんて意外だわ。ほんとモテんだな。」
保健室のベッドに寝かせた楓君は小さな声で言った。
「うん、だから日向と一緒にいれるのは放課後だけなんだ。
…放課後になるのがいつもの楽しみなんだ。」
「そーなんだ。…え、じゃぁヤバくね?
放課後になって、今けっこう時間たってるけど?会わなくて大丈夫なのか?」
あ…。
連絡してないから、日向に心配かけちゃってるかな…。
急いでスマホを見てみれば、日向からLINEがきていた。
[仕事で忙しいから、今日は会えないっ!!ごめんねっ。]
…やっぱり忙しいんだ……。
……結局は会えないって事か。
「どした?」
「あ、…日向、仕事で忙しくて会えないって。」
「マジか。んじゃ帰んの?」
「うん。帰るー。」
ちょっと寂しい気持ちはあるけど、仕事で忙しいならしょうがないよね…。
仕事の邪魔しちゃいけないし。
…けど、少しだけ私は不思議だった。
今までの日向なら、忙しくても少しでも時間を作って私と会ってくれた。
だけど、今日の日向は……、
少しだけ不自然な気がした。
……私の…勘違いか…。