放課後は図書室で甘い時間を
教室移動の時が忘れられなくて、1限目の授業は全く集中出来なかった。
あれから日向と廊下ですれ違う事はなく、昼休みを迎えた。
「ねぇ、めいちゃん。」
「…今度は何よ。」
手鏡をもって、髪型を整えているめいちゃんに私は話しかけた。
「あのさ、日向……何か今日の日向…変じゃない…?」
「はぁぁぁ?!何で私に聞くのよ。榎本先生をよく知ってる人物が、彼女の桜ちゃんが、片思いの人にそんな事聞いてどうすんのよ。」
「すいません。」
「すいませんじゃないでしょ?……“すみません”でしょ?……敬語が間違ってるのよ。」
そこですか?!
突っ込む所そこですか?!
…まぁ、いいんですけれでも。
「はぁ。何よ?…あんたたち、喧嘩でもしたの?」
「う、ううん……。」
「ちゃんと口があるんだから、疑問を持ったことは素直に伝えてみるべきよ?
…それでもダメだったら、ちょっと考えもんね。」
伝える…か。
「ま、うまくいかない方がこっち側は有利になるから嬉しい話だけど。」
一言よけいな言葉を付け加えためいちゃんは、クスリと笑った。
「……頑張ってね。バカップルさん?」
「なっ…!!」
手鏡をしまっためいちゃんは教室から出ていってしまった。