放課後は図書室で甘い時間を


ゆっくりと、教室のドアを私は開けた。


目の前には、日向がいた。


「…さくっ……」


ねぇ…どうして…名前呼んでくれないの…?

呼びかけたのに…どうして止めちゃうの…?

胸がズキンと痛んだ。

…こんな痛みに負けちゃいけない…。



「どうして…どうして私の事避けるの…?」



私の言葉を聞いて、一瞬日向が悲しそうな顔をした。


「…避けてないよ。…暗くなると危ないから、もう帰りな。」


私に言ったこともない冷たい言い方…。

日向はそれだけ言うと、教室から出ていってしまった。



何で……急に…態度が変わっちゃったのか…

私にはよく分かんないよ…。



ねぇ…教えて……



私の事……もう好きじゃない…?
……嫌い…?



ねぇ……行かないで…


いつもみたいに、私を見て?
あの優しい笑顔で私を見てよ…。



















「日向待ってっ………!!!!!!」








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