放課後は図書室で甘い時間を
先生を見るたびに、胸がドキドキする…。
他の子と喋ってる先生、他の子にあの笑顔を向けてる先生。
……何か嫌だなって思う…。
本当に私、おかしいの…。
どうかしてる…。
「…………好き…じゃ…ない、です…。」
何て答えればいいのか分からない。
恋愛感情が分からないから、答え方すら分からない。
頭が真っ白になる。
私の口からは、自然とそんな言葉が発せられていて。
「そっかぁ、でも俺は桜ちゃん大好き。
…大好きだから、絶対に譲れない。
誰にも取らせないって思うんだ。…大人げないでしょ?」
フッと軽く笑った先生は、どこか悲しそうに見えた。
その瞬間痛みだす心。
先生の悲しんでいる表情に対してか、自分ではっきりした気持ちを先生に伝えられなかったせいか、…よく分からない。
「……私は、恋愛というものをしたことがないんです…。だから…恋愛感情がどういうのかよく分からない…。
先生が…私にしてくれる事は全部初めての事ばかりで…。
……分からないけど、先生を見てるとドキドキするんです…。
もう自分が自分じゃなくなるみたい…。」
思ってる事を私は、全部打ち明けた。
心のどこかで、スッキリしたい自分がいたから。
話がいろいろと繋がってない所あると思うけど…。
…先生は、聞いてくれてるかな…。
「…きっと桜ちゃんは、その気持ちの正体を教えてもらいたい…そうでしょ?」
小さく私は頷いた。