放課後は図書室で甘い時間を


「ふぅ。…終わったぁ。」


書類のホチキス止めがやっと終わって、私は伸びをした。

時計は、5時10分を指していた。

榎元先生は、相変わらず寝ている。


「……好きって…何なんですか…先生…」


そんな呟きは、先生には聞こえない。


あ…先生…いい香り…。

ふわっと香るかすかな香水の匂い。
全然、嫌なんかじゃない…。

ずっと、香っていたい。

……ずっと、先生のそばにいたい。

って、思うのは、おかしいかな?


やっぱり、私に好きって感情は分からないよ。



「…桜ちゃん…好き…。」



先生から、そんなような言葉が聞こえる。

え…。また寝言…?


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