放課後は図書室で甘い時間を
◆好きって気持ち


***

スーパーを出ると、先生は自販機で温かいココアを買ってくれた。

「はい。…寒いでしょ?」

「…ありがとう、ございます。」

ココアを受け取って、一口飲む。
少し冷えてる体に、温かいココアはじんわりと染みていくようだった。

すると先生は、私に手を差し出した。

…ん~…、手、繋ぎたいのかな…?
いや、違ってたらどうしよう…。
ん~…、でもいつも手握ってくるしなぁ…。

私は、差し出された手を握った。
瞬間
先生は笑う。

「あははっ。桜ちゃん可愛い。…俺と手繋ぎたかった?」

「え?!…えっ…えっ…あ…」

「…荷物持つよ。の意味だったんだけど。いーよ、手繋ごっか。」

そう言って、先生は私が右手に持っているビニール袋を手に取った。

やば…。
私、勘違いしてたんだ…。
なにそれ、すごく恥ずかしい…。

「桜ちゃんから手繋いで来るなんて、俺ビックリしたよ~。」

笑いながら言う先生は、楽しそうで、上機嫌さがにじみ出てる。

…私をからかってるのかっ…!!
この変態教師…!!

心の中で、愚痴をこぼしているなんて、
当然先生は知らない。





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