放課後は図書室で甘い時間を
タイミングよく授業の終りをつげるチャイムが鳴る。
「あー、5限目俺授業あるから、早めにお昼食べないと…。桜も一緒に食べる?」
胸がドキンと鳴った。
今までにも桜って呼ばれた事は何回かあった。
だけど、今の私達の関係は、恋人…。
桜って呼ばれると、本当に付き合ってるんだなって思う。
「うーん、ごめん。江梨子と食べるから、また今度ね。」
「そっか、分かった。悪いけど俺先いくね。」
「うん。次の授業頑張ってね。」
笑顔で日向を見送る。
「うん、頑張るね。…え、てか次の授業担当クラス、桜んとこだけど。」
「えっ?!…そっか、次英語だー。」
日向は英語担当の先生。
何か嫌な予感するんだけど。
ま、いいか。
「んじゃ。」
日向は、私にそう言うと軽く私にキスをした。
日向は意地悪く微笑みながら、私の前から去っていく。
いきなりのことでフリーズする私。
こんなの……反則だよ…。
私…ドキドキしっぱなしだよ…。
LINEの通知音がスカートのポケット内で響く。
私はハッと我に返った。