記憶をなくした君へ。




そうだ。


死ねば、いいんだ。


死んだら、舜もこんな憎たらしい奴の顔見なくて済むし、
親戚の皆も、泣いて喜ぶんだろうなぁ。
なんでもっと早く決心しなかったんだろう。
死ぬのなんて、簡単なのに。
生きることの方が大変なのに。
どうして、考えなかったんだろう。

必要ない人間なのに…………。
誰からも認められない存在なのに……。

簡単に忘れられてしまう存在なのに………。



私が死んで、悲しむ人なんでいない。



誰も傷つかない。


私が我慢すればいい。


ちょっと痛いの我慢すれば、すぐ楽になるから。


私も、皆も。



今までお世話になった人たちへの

せめてもの恩返し。




さよなら、私。




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