時空を超えて。
舞妓「こちらにどうぞ」
案内された部屋は大きな大広間だった。
真紀「わぁ!時代劇で見る風景だぁ!」
海斗「ほんとだ!」
土方「なに突っ立っていやがる。早く座れ。」
真紀「すいません!」
そんなに怒らなくてもいいのになー
さすが鬼の副長って言われるだけあるかも。
「みなはんこんばんわ。今日、お相手させていただく雪どす」
綺麗な人が座敷に入ってきた。
舞妓「お酒をどうぞ」
海斗「あ、ありがとうございます...」
側から見ても緊張してるね海斗。
鼻の下伸ばしすぎ。
なによデレデレしちゃってさ...
海斗「なんだよ?」
私は海斗の手を抑えた。
真紀「私達はまだ未成年でしょ?飲んじゃダーメ。」
海斗「この時代ならいいじゃんかー!」
真紀「ダメなものはダメなの。」
海斗「ちぇーー」
(ギャハハハハ)
永倉「では一発芸やりまーす!!」
真紀「あははっ!」
永倉「お!春ちゃん笑ったな?」
原田「新八ー!もういっちょやれー!」
永倉「ではリクエストにお答えして!」
真紀「あはは!」
海斗「あはははは!!」
お腹がもうダメかもっ!
真紀「ふぅーー」
みんなの一発芸披露も終わった。
お酒のにおいも強いし少し部屋を出ようかな
真紀「はぁ」
夜空を見ると何故か大きなため息をついてしまう。
どうやったら帰れるの?
真紀「なにあれ?」
外に明るい光が見えた。
(フワワァァァ)
その光に吸い込まれるように私は向かう
蒼馬「真紀おいで。真紀。」
そこには、蒼馬くんの姿があった。
真紀「蒼馬くんっ!」
私は走った。
真紀「なんでここにいるの?!どうやったら帰れるの?!」
気付いたら質問攻めになっていた。
蒼馬「そんないっぺんに答えられないだろ。それより俺の前世には会ったか?」
真紀「蒼馬くんの前世?」
蒼馬「前に言っただろ。土方歳三だよ」
あ!そっか!
真紀「会ったよ!噂通りの鬼だった!」
蒼馬「はは!そうだろうな!あの頃の俺は鬼の副長を演じてたからな」
真紀「なんでわざわざ演じるの?そのままの土方さんで良いのに」
そう言うと蒼馬くんは少し微笑んだ
蒼馬「次期にわかるよ」
そういうもんなのかなぁ
真紀「それで、なんで私はここに来させられたの?確か歴史を変えてほしいって聖水に言われたんだけど。なんのため?」
蒼馬「聖水しっかり伝えてくれたんだな。」
私はずっと疑問を感じてた。
歴史を変えたら大変なことがおこるような気がするんだけど・・・
蒼馬「俺にはまだ新選組の副長として成すことがあるんだ。だが今の俺はいろいろあって行くことはできない。だからこそ歴史にも詳しい真紀に行ってもらうようにしむけたんだ」
しむけたって。
まんまと私はひっかけられたってこと?
なんか嫌な感じ。
(フワァァ)
真紀「っ?!」
さっき蒼馬くんが現れたのと同じ光だ。
真紀「蒼馬くん!」
スーーーッ
消え始めた。
真紀「ちょ、ちょっと待って!まだ聞いてないことが沢山あるんだから!」
パッ
行っちゃった...
とにかく私は何すればいいの?
土方さんを守ればいいのかな?
そしたら蒼馬くんも困ることなさそうだし。
第一私なんかじゃなくても歴史が得意な人なら他にもいると思うんだけどなぁ
まぁ心配ないよね!
私は部屋に戻ることにした。
「君は、一体何者なんだ」
真紀「え・・・?」
後ろから声が聞こえたので振り向いた。
まるで忍者みたいな格好。
「ちょっと来てくれ。」
私は手を両手で捕まれながら新選組のみんながいる部屋へと連れてこられた。
土方「山崎、どうした」
山崎って監察型の人のことだよね?
この人が?
山崎「実はさきほど妙な光から人が現れ、この女が副長の事を話していました。」
私は前に突き出された。
原田「あれ?春ちゃんじゃねぇか!」
真紀「はい...」
平助「山崎くんどうしたの?その子、俺たちの仲間だよ?」
山崎「仲間なのは知っています。」
土方「山崎には春たちの事情を突きとめるために監察型として見張っていてもらったんだ」
そういうことね。
だから物音がしたりとかしてたんだ。