時代錯誤のラブレター
♪1
――ガタン
あたしはポストの蓋が閉まる音を聞いて、勢いよく玄関の扉を開けた。
郵便屋さんはそんなあたしを見て「毎日ご苦労様だねぇ」と一言。
あたしはそんな郵便屋さんにぎこちない笑顔を向けて、ポストの中からお目当ての手紙を探す。
「やっぱり無い…か。」
その代わり「返信」と書かれた手紙が一通あった。
これはあたしが出して、戻ってきたものだ。
玄関先にその手紙を置いて、あたしは灰色の空を見上げた。
そういえば、今日は雪だって天気予報士のお姉さんが言っていたなぁ。
もう半年…だろうか。
「彼」から手紙がこなくなったのは…。
「彼」に手紙を書いても戻ってくるようになったのは…。
ねえ、春樹さん。
あたしたちは確かに繋がっていたよね?