春風にのせて伝えたい...
そんなことを話している間に会場に着いた
馬車の扉を開けると
冷たい空気が吹き込んでくる
その冷たさにキルシュは身を震わせながら
雪の降り積もった地面に足をつけた

キルシュ:きゃっ....冷たい....
けれど....やわらかいわ....

初めての感覚に驚きながらも不思議そうに
雪をすくいとった....

キルシュ:これは....なに?
綿のような....でも暖かくない....
それに....溶けてしまう....

彼女は不思議そうに眺めて呟いた
見た目は綿のように
ふわふわとしているけれど
陽の光に反射して溶けた雪がキラキラと
輝いて落ちていく
しばらく眺めていると

チェアス:お嬢様...そろそろ行きましょう
服が濡れてしまいます...

キルシュ:あ...はい

彼女は名残惜しそうに立ち上がり
会場へとむかった
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