【短編】オレの契約オンナ

「南は一人っ子？」
「うん・・・・」
「そっか・・・寂しくない？」
「全然！だってお母さんとかがいるから」
「えらいな」
愁はそう言って私の頭をなぜた。

愁はやさしい・・・・。
ううん・・やさしすぎ。
あのバカ４人組とは違う。
私なんであいつらと重ねてんだよ！！

「愁・・・」
私はついつい呼んでしまった。
「何？」
「え～と・・・この間できたラーメン屋美味しいよね！！」
「あ～・・たしかに・・うまいな！！」

「あははははは・・・・」
私はとりあえず笑って誤魔化した。
「ほかに・・・何かない？」
愁は私の頭をなぜて言った。
「な・・・ないよ？」
「ふーん」
愁はそう言ってまた携帯をいじった。

それから愁は一言もしゃべらなかった。
なんだか・・・寂しい。
さっき会ったばかりなのに・・・・。
不思議な気分だな～。