無常の日々はすみれ色に輝く
カーテンの隙間から見える空は真っ青だった。

「雨、降らないかな…。」

曇天ではない。

台風。

6月に来るわけないか。

ベッドの中でうなだれる。

泥の様に床から這い出す。

「すみれ、起きてる?朝御飯出来てるわよ。」

母親の呼ぶ声でまたテンションが下がる。

のそのそと階段を降りてリビングへ。

席に着き薄目を開け朝食を食べる。

「はやく食べないと遅刻するわよ。」

母は、忙しく朝の家事をこなしている。

「…んん。」

声になるかならないか微妙な返事をする。

食べ終わり制服に着替える。

毎日のローテーション。

7時50分。

ギリギリ8時30分の登校時間には間に合う。

中学の入学式から3ヶ月。

未だ慣れない中学の雰囲気。正直しんどい。

決まったスケジュールをこなしていく。私にとって学生生活は仕事だ。

“普通の子は、皆している” 

こう言われると正直辛い。あの頃には二度と戻りたくない。

“ただのズル休みでしょ?” 

不登校。










< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop