奇跡の歌姫【上】
「これ!…駄目か。はい、湊。
ねー、どうする?」
「揃った。別に、ゆっくりしてたらいいだろ。ん。」
目の前に出された数枚のカードから、1枚引く。
まぁジョーカーは私のところにあるし、何も考えなくても良いんだけど。
「やった、揃った。それより、罰ゲームって何にするの?」
私は何も持ってないですよーって顔で、輝の前に手札を出した。
輝の指が伸びた先は数字のカード。
心の中で落胆だ…。