奇跡の歌姫【上】
カードキーをもって、外に出た。
外は少しだけ肌寒かったけど、今はそれくらいの方が熱が冷めるだろう。
「あら、学生さん?
…utaさん。どうかされました?」
こそっと出て行こうとしたのに、見つかっちゃった。
あ、私のファンって言って下さった方だ。
「…少し、外に出たくなって。先生には内緒にしてもらえませんか?」
「分かりました。修学旅行の醍醐味ですものね。
ただし、ちゃんと帰ってきたことを伝えて下さい、心配ですから。」
この言葉に答えて、それから外に出た。