奇跡の歌姫【上】




鼻歌を歌いながら、散歩した。



「ここ、よくお兄ちゃんと2人で来たな…。」



ホテルの裏手にある植物園。


暗いかなと心配してたけど、月と星の明るさだけでも十分だった。



「夜は幻想的になるんだね…。」



ここなら、声を出しても迷惑がかからないだろう。


ホテルからも、民家からも離れてるから。


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