奇跡の歌姫【上】



「…愛歌、sayaka好きなんだよな?」


吉川君が私の目をしっかり見て、そう言った。



「え?…うん、好き。」



「この曲は?…好き?」



この曲。


お兄ちゃんの作ったこの曲。


お母さんが歌ったこの曲を。



…嫌いなわけない。


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