ココロトタマシイ
幻惑の街-南Side-
「…靖ちゃん……今の、なに……?」
「…………」
僕は答えることもできずに。
ただ彼女の消えた空間を、呆然と見つめることしかできなかった。
――……あの時。
僕が鎌を振り上げて。
彼女の魂をいつも通り回収しようとしたら。
彼女の体が金色の光を放った。
あまりの眩しさに目がくらんで、思わず目を腕で覆ってしまったけど。
一瞬、彼女の姿に…。
・・・
……―――あいつの姿がみえたような気がした……。
あいつの表情(カオ)はとても哀しそうで。
何かを言いたそうにしていたようにみえた。
「はぁ………」
あいつが一体何を伝えたかったのか、なんて考えても埒が明かない。
それに…そもそもあいつは。
僕を許してはくれない……。
…だろうから。
「靖ちゃん!!」
「う、わ!!
な、なんだよいきなり……」
いつの間にか俯いていた僕の顔を。
ぐいっと覗き込んできたあんりに驚いた。
「いきなりじゃないもん!さっきからずーっと呼んでんのに」
「あーごめん。ちょっと考えごとを……ね」
腰に手を当て、頬を膨らませるあんりを適当に宥めて。
とりあえず鎌をしまう。
「あーあー。
靖ちゃんはぼーっとしてるし、あの娘は逃がしちゃうし……」
「パスタ冷めちゃってたら靖ちゃんのせいなんだからー!」とぼやきながら、あんりも銃をしまう。
そしてあんりは坂道を登り始めた。
「帰るのか?」
「あったり前~。
あとは靖ちゃんがやってよね~」
「……あんり!」
「なにー?」
あんりにもあいつが見えたかどうか、聞こうと思ったけど。
いざ聞こうとなるとやっぱり躊躇いがでる。
「……いや、気をつけて帰れよ」
「?……変な靖ちゃん」
あんりは怪訝そうに眉を潜めながらも、さっさとこの空間から帰って行った。
……自分の住むべき世界へ。
「…………」
僕は答えることもできずに。
ただ彼女の消えた空間を、呆然と見つめることしかできなかった。
――……あの時。
僕が鎌を振り上げて。
彼女の魂をいつも通り回収しようとしたら。
彼女の体が金色の光を放った。
あまりの眩しさに目がくらんで、思わず目を腕で覆ってしまったけど。
一瞬、彼女の姿に…。
・・・
……―――あいつの姿がみえたような気がした……。
あいつの表情(カオ)はとても哀しそうで。
何かを言いたそうにしていたようにみえた。
「はぁ………」
あいつが一体何を伝えたかったのか、なんて考えても埒が明かない。
それに…そもそもあいつは。
僕を許してはくれない……。
…だろうから。
「靖ちゃん!!」
「う、わ!!
な、なんだよいきなり……」
いつの間にか俯いていた僕の顔を。
ぐいっと覗き込んできたあんりに驚いた。
「いきなりじゃないもん!さっきからずーっと呼んでんのに」
「あーごめん。ちょっと考えごとを……ね」
腰に手を当て、頬を膨らませるあんりを適当に宥めて。
とりあえず鎌をしまう。
「あーあー。
靖ちゃんはぼーっとしてるし、あの娘は逃がしちゃうし……」
「パスタ冷めちゃってたら靖ちゃんのせいなんだからー!」とぼやきながら、あんりも銃をしまう。
そしてあんりは坂道を登り始めた。
「帰るのか?」
「あったり前~。
あとは靖ちゃんがやってよね~」
「……あんり!」
「なにー?」
あんりにもあいつが見えたかどうか、聞こうと思ったけど。
いざ聞こうとなるとやっぱり躊躇いがでる。
「……いや、気をつけて帰れよ」
「?……変な靖ちゃん」
あんりは怪訝そうに眉を潜めながらも、さっさとこの空間から帰って行った。
……自分の住むべき世界へ。