ココロトタマシイ

交差する魂-南Side-

「ひぃ……っ!やめろ…やめてくれ……」


「何言ってんだよ。先に喧嘩売ってきたの、そっちだろ?」


「わ、悪かった!謝る!!だから…こ、殺さないでくれ……っ!!!」


……馬鹿な男。

さっきの威勢はどこへ行ったのやら。


ことの始まりは、今からちょうど20分くらい前。

自分からぶつかって来たくせに、僕にいちゃもんつけて。

慰謝料を請求してきた3人の馬鹿な男たち。


「調子のってんじゃねーぞ、このガキ!」


そう叫びながら殴りかかってきて。

それを避けると、また別方向から蹴りがとんでくる。

それも難なく避けて、がら空きになっている背中に思いっきり蹴りをくれてやった。


「誰が調子のってるって?」


地面で派手に痛がっている男を上から睨みつけると。

男の顔がさっきよりも蒼くなった。

それに呆れながらいつも狩りに使うアレをだす。


「なっ…鎌?!」


「こ、こいつ、何なんだ!いっ…いきなり鎌が出て――……」

「…うるさいよ」


オレの蹴りが相当いいところに入ったらしく。

まだ立ち上がれない男を冷ややかに睨み付けながら言葉を遮ると。

後ろにいた二人の男が走り去ろうとしている姿が視界に入った。


念のため、男の腰をもう一度踏みつけて、立てなくしてから。

そいつらの前に立ちはだかる。


「あんたら…何してんの?」


低くそう問えば、二人の顔と体が強張ったのが分かる。

まあデカイ鎌片手に不敵に微笑んでる奴が目の前に立ってるんだ。

それも無理ない。


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